11月をなかばを過ぎ日を追うごとに寒さが増してきましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか?
11月のねこの手の研修会のテーマは「移乗介助」です。
「移乗介助」と一口に言っても、利用者の障害によって様々です。
ねこの手を利用して頂いている方で限っても、利用者様ごとによって移乗の介助技術も全く異なります。神経難病の方など、体位保持の難しい方には、リフトなど使用して身体全体を支持しての移乗となりますし、自立歩行できる方にには過剰な介助は逆に危険を伴う場合もあります。
今回の研修前半では、
①自立歩行可能→手引き介助
②立位保持がある程度可能→前からの抱え介助
③体位保持が困難→リフト・2人介助
移乗介助は大きく分けて3つのパターンがあることを説明。
それぞれの介助方法のポイントを簡単に説明しました。
後半は参加していただいたヘルパーさんに②の方法の実技を実際に
行なって頂きました。
ベットを実際に事務所に持ち込んで、車椅子に移るという設定で行なっています。
ベットに寝ている利用者さんを、左側におこし両足をベットの外に出します。
右手で利用者さんの左肩を持ち、左腕は首をもち端座位に起こします。
端座位にする時介助者は腕の力だけではなく、右から左に介助者の重心を移動させることによって体全体を使うことも忘れないようにして下さい。
介護ベットの場合はベットの高さ調整も無理の無い介助を行なううえでとても
大切!
ねこの手の利用者さんは障害があっても立位が保持できる方がほとんどです。
移乗というと「抱え上げてて車椅子まで運ぶ」というイメージをもたれるかもしれませんが、むしろ「一緒に立ち上がり→向きを変え→一緒に座る」というイメージで力任せではなく、呼吸を合わせて利用者さんの力を使い無理のない体制で立ち上がりとすわりをお手伝いするようにすることが大切です。
立ち上がりの動作に欠かせないのは
利用者側は「前かがみ」と「膝を曲げる」
介助者は「重心を落とす→利用者と一緒に重心をあげる」
密着面を多くすることで安定感と介助者の負担を軽くすることも重要なポイントです。
向きを変える前に、必ず「安定した立位」かを確認しましょう!
あわてる必要はありません。
しっかりと座れる位置に向き替えができたらゆっくり重心を落としながら
座りの動作を行います。この際の「ドスン!」とならないようにあくまでも
利用者さんの力を借りながら一緒に座るような気持ちで介助を行うとよいと思います。
慣れるまでは大変かもしれませんが、一連の動作を体で覚えてしまえば
決して難しくはありません。
一番大切なのは、利用者さんとタイミングを合わせることです!
参加したヘルパーの感想としては
・初めての方慣れない方の移乗は難しい
・健康だと(障害のある方のように)痛みを感じないので、他の方(受け手のモデル
)の意見は参考になった。
・声かけは重要だと思いました。
・体格差がある場合も対応できるようにさらに勉強したい。
多かった意見は、「介助を受ける側を体験できるととても参考になる」という
事でした。
みなさん今月もお疲れさまでした!